天狼星菓

徒歩5分のところに図書館と映画館とカラオケが欲しい

シュガーラッシュ・オンラインと友と別離と

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「なっ、ふぇ、フェリックス、いつからそこに…!」

↑ 圧倒的推しのカルホーン軍曹(こんなシーンはありません)

 


 こんにちは、キムチ鍋にはまりつつあります、アヲノ旗です。

 私、映画を観るのが趣味なのですが、最近映画館に全く足を運べていなくて、うおおと思っていたのですが、やっと「シュガーラッシュ・オンライン」を観に行くことができました。

 ※ネタバレありなので、未見の方ご注意!

 


*距離感って大切だ

 結論から言うと、「なんでみんなそんなラルフに厳しいん…!?」というのが一番の感想でした。

 いや、頭では分かるんです、「これはラルフの成長物語」「トモダチ依存を受け入れて、その呪縛から解き放たれるのが良い」とは(いやでもエンドロール前の表情からすると、ぜんっぜん吹っ切れてないですけどね)

 でも、でもさ…! 前作を観たときに感じたスカッと感がないんですよー! 前作のラルフは「諦めない」のが最高の結末につながったのに、今作ではそこが「ストーカー気質」という一言で片づけられてしまっているのがなんとも切なかったです。

 スローターレースにバグを放ったときは「てめーなんちゅうことを」とは思ったけれども。あそこは本当ラルフのベタベタした感じを良く表していましたね。そこで思い留まれば…。

*ヴァネロペとハンドル

 さて、今回の物語は、「今のレースは展開が読めてつまらない」と零したヴァネロペの気持ちに応えて、ラルフが新しいコースを作り出したことから始まります。彼、壊すだけでなく作るのも得意なんですよね。

 プレーヤーを無視した無理な操作のせいで、ハンドルが壊れ、シュガーラッシュは電源を抜かれてしまいます。帰るゲームを失ったシュガーラッシュの住人たちはうろたえます。それでも、住人たちがヴァネロペとラルフを責める描写があまり出てこなかったのは印象深かったです。心優しいというか、お人よしというか。

 で、一番解せないのは、ヴァネロペがラルフに八つ当たりするところなんです。たしかにきっかけを作ったのはラルフだけれども、ヴァネロペにも責任はあるよね。慰めようとしたラルフの気遣いはたしかにスマートではなかったけれども。ゲームレス(ホームレス)でアイデンティティの揺らぎに直面して辛いのは分かるけれど、あなたのワガママでゲームレスになった住人たちは大勢いるんですよ。そこの反省の言葉がなかったのちょっとモヤモヤしました。普通そこで悩むもんじゃないのかな?

 …と、ここまで書いて、アナ雪のエルサも似たようなことしてるじゃんと気づきました。でも、彼女は自分のやったことに責任を感じて一人になろうとするんだよね。しかも、結局王国を力を借りて自分で助けちゃうし。…いかん、長女気質のせいか、エルサには感情移入してしまう。ドイツ語版Let it Goの"Ich geh nie mehr zurück, das ist Vergangenheit!(私はもう帰らない、過去なんだから)"の力強さ好き。

 脱線してしまいましたが、今回シュガーラッシュを救ったのは、ヴァネロペではなく、完全にラルフなんですよね。たしかに、バズチューブを選ばせたのはヴァネロペの考えなのですが、結局、一番稼いで、体を張って、自分の悪口にすら直面してでも

 シャンクは「試練がないと人は成長できない」って言ってたけど、あれ、今回試練に直面したのってラルフだけじゃね? 自分の内面の汚いところまで視覚的に見せられて、悪口に痛めつけられ、それでも親友との別離を笑って見送るよう強制されて…って。

 ヴァネロペに試練ないじゃんって。ハンドルを壊した責任とかは? 自分と自分のゲームのために頑張ってくれたラルフには何の言葉もなし? 別のゲームに移りますとかそんな挨拶もナシ!? 前作見ていたときは、そんな子じゃなかったと思うけれど、やっぱり「夢」の眩さに目がくらんじゃったんですかね。ラルフとの関係も、ずっっっっと上から目線だし。やっぱりそこが解せなかったです。

 まあ登場人物が全員最適解を叩き出していたら物語なんて生まれないんですけどね。

 もう一回観たら感想も変わるんでしょうか。


*目に見えないネット社会をビジュアルで表すこと

 長々と語ってしまったことはさておき、オンラインに繰り出す理由付けが面白かったです。あと、オンラインのデフォルメ・パロディ描写もたまらない。イーベイは使ったことがないのですが、分かりやすい描写の仕方だったなあと思いました。

 ネットユーザーのアバター感が可愛かったです(笑) ハートをそう表現するか! 掃除機(笑)


*プリンセスとセルフパロディ

 実は、この映画で楽しみにしていたのが、プリンセスたち。パジャマパーティーで可愛いがあれだけ集まっていると、どこを見ればいいのかわからない。どの子の表情もみんな、逐一可愛い。エルサと白雪姫のTシャツ、自虐ネタすぎて笑っていいのか分からない…! シンデレラが寝転がっているところ妙に艶めかしくてずっと見ていたかったです。


*まとめ
変わっていくこと・変わらないこと 受け入れること

 人は誰でも変わっていくものだし、もちろん人と関係だって、どんどん様変わりしていく。それをどう受け入れ、行動していくか。ネット社会になぞらえて、そんなことを書きたかったのかなあと思いました。

 ストーリーへのモヤモヤはーまだ消えないけどー! 3作目は純粋に楽しみです! 待ってます!